成長し続ける会社―「事業の強み」で飛躍する5つの法則
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あなたはマイケル・トレーシーを信じますか? |
本書では、成長のポートフォリオを支える次の5つの法則が挙げられ、「成長の法則の良いところは、どんな企業の目標や事業環境とも合致し、どんな企業でも必ず実行できる点にある。」とされる。
(1)顧客の維持
(2)市場シェアの拡大
(3)市場ポジショニング
(4)周辺市場への参入
(5)異業種市場への進出
確かに本書に取り上げられた@ジョンソン・コントロールズ、Aモホーク・インダストリーズ、Bペイチェックス、Cバイオメット、Dオシコシ・トラック、Eデルは、ある程度の企業規模に達すれば、二桁成長を続けることは難しいという常識を超えて成長しているすごい企業である。
しかし、これらの企業も、いずれは(何十年も先かもしれないが)成長の壁に突き当たるということを我々は既に知っている。「沙羅双樹の花の色があらわす盛者必衰の理」が真理であり、「奢れる者久しからず、唯、春の夜の夢のごとし。猛き者も遂には亡びぬ。偏に風の前の塵に同じ。」だからだ。
著者はそんなことは百も承知で、「どんな企業も着実に二桁成長を遂げることができる。これが本書の中心テーマだ。しかし必ずしも、すべての企業がそうできるわけではない。すべての企業が二桁成長できるほど、われわれの経済は成長しないからだ。」と、本書の主張の最大の矛盾を自ら明らかにしている。
結局のところ、「他社には無理でも自社には可能かもしれない。そう信じる人のために、あるいは信じたい人のために本書は存在する。」
著者の主張する成長を図る指標たるべき各社の粗利と毎期の成長要因が、本書の中で具体的に示され緻密に分析されているともう少し信じられたように思うが、そのあたりはあやふやなまま。本書は、あるべき成長戦略とは何かを追求したというより、「経営者よ、元気を出せ!」と鼓舞するために書かれたように感じた。

