ウチの社長は外国人―成功起業家10人のサムライ精神
![]() |
日本が受入れるべき「外国人」の姿 |
本書は、日本における「外国人起業家」10人にインタビューを行い、その起業経験や、日本在留経験などについてまとめたものである。そこからは、日本人では把握できない日本社会・経済の肯定面と否定面が明らかになっていると共に、こうした「外国人起業家」の活躍ぶりが明らかになっている。
昨今「人口減少、少子高齢社会」と言われる中、移民政策の重要性が認識されつつあるが、重要なのは一部で吹聴されているような、人材の質を無視した数合わせの「外国人労働者」受入などでは到底なく、本書で紹介されているような、高学歴でかつ、起業し、日本社会に多大な貢献を行う人物であることは明白だ。
特に、教育水準は極めて重要で、本書で紹介された10人の中には、国費留学生として日本に留学して大学を卒業した人々も含まれているが、そうでなくとも、母国で大卒以上の学歴を有している。すなわち、こうした人材でなければ、本人にとっても、日本にとっても「プラス」にならないことは明白で、単純労働者の受入など、考慮の対象にもならないことは明白だ。
また、これら10人の多くが指摘するように、現在日本の経済慣習が、外部者にとっては不明瞭・不明確な点が多く、こうした外国人起業家がビジネスを興しやすくするための、透明性のある制度設計・社会設計が重要であり、それなくしては、こうした人々の活躍も自ずと限界があることが、明らかとなっている。
ただ、本書から以上のような点が把握できるものの、著者の結論としては、日本社会論といった側面、すなわち「外国人の見た日本社会」といったものに終始しており、本来であれば社会経済的な考察を深めればより貴重な作業となったであろう。ただ、このような形で、10人の外国人起業家のライフヒストリーをまとめた作業は大いに評価すべきであり、今後の我が国の移民政策を考える上で貴重な材料であることは間違いない。

