事業再生
![]() |
良書 |
再生に賭ける使命を理解できる。
しかし、ビジネスマンが具体的に再生の要諦を実感するために、実例を充実させて欲しかった。
![]() |
フロンティア |
今でこそ、事業再生はビジネスとして認知されているが、この本が書かれた時点では、十分認知されていなかったのだろう。従って、世の中の偏見(倒産するような会社は負け犬、コンサルタントで金をとるのはよくない)に懸命に反論している。
今となっては物足りない内容かもしれないが、フロンティアというのはこういうものなのだろう。
![]() |
事業再生を学ぶスタートライン |
本書は、まだまだ日本で馴染みの薄い事業再生について分かりやすく、包括的に書かれている。また著者の生い立ちや経歴などもまぜることでより読者が親近感を得やすいように工夫されている。(したがって、その道のプロの人達には物足りない内容であるかも知れない。)
事業再生や企業再生という言葉は、まだ昔ながらの『再建屋』などという言葉と結びつき安いのかも知れない。『再建屋』からイメージされることは、ヤクザ絡みなどの問題案件ではないだろうか。確かにそういう事例もない訳ではないだろう。しかしながら、著者の意図する事業再生は『ビジネスモデルの転換』をどうやって行うか、という点に絞られている。つまり、変化する環境についていけなくなり顧客ばなれが起きた事業をどうやって変化に対応したビジネスモデルを導入するか、ということである。(景気がよくないから儲からない、ではなく、変化する需要にどうやって対応すれば儲かるか、ということ。)
今までの事業再生・企業再生が、銀行からの資金の追い貸しや再建放棄による建て直しが主体だったのに対して、本書で語られている事業再生は『ビジネスモデルの転換』であり、非常にユニークな視座を提供していると言えよう。ある意味で本書が事業再生について学ぶスタートラインであろう。
![]() |
事業再生に関する基礎固め |
倒産法制についての解説など、かなり基礎的な内容が多い。
はじめて事業再生という考えに触れ、関連する基礎を固めるにはいいかもしれない。
具体的な事業再生の実例などを期待すると期待はずれに終わる。
著者の生い立ち部分などは、正直もっと削除してもらいたかった。
その分を実例で補えば、もっといい本になったのに。
![]() |
今般の事業再生動向を知る上で有用な一冊 |
現在声高に叫ばれている事業再生の中核を担っているのは、もと長信銀(興銀・長銀・日債銀)OBだが、筆者もその1人。10年前までは後ろ向きとされていた債権回収の仕事に率先して取り組んだ結果、事業再生のスキルを身に付けた数少ない邦人である。
筆者は本著において事業再生は不振企業の治療着手が遅れることで再生手段が狭まり、再生可能性が逓減すると説いている。この考えは産業再生機構の考え方の根本をなすものであり、あたりまえのようであるがその難しさの一端を本著で垣間見ることができる。



