株主価値創造革命―日本企業再生のキーポイント
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ファイナンス啓蒙書に最適です |
本書はコーポレートファイナンスのテキストです。
まずは日米の金融市場比較から始まります。この部分が意外と大切で、なぜいまファイナンスなのかという質問に対する答えにもつながっています。日本経済の成長と衰退を理解することで、我々はファイナンスに対して、いかに鈍感であったか、特殊な世界で生活していたのかが理解できます。次にROEを重視した経営の有効性をときます。資本主義市場を公正に機能させようとすると、ROEこそ最も基本的な指標になる。米国の株主一本槍経営と日本の従業員温情主義。両者を効率的に実行するためにも、ROEは必要だと著者は主張しています。
ROEはシンプルすぎるという批判があります。そこで新しく生まれたいくつかの指標と計算方法も、本書では解説されています。しかしここが問題で、説明が大雑把というか、不親切なのです。まったくの初心者が理解するには難しすぎるだろうと思います。金融業の人はともかく、営業や人事など普通の人には、なんとなく分かったような気がする、というだけになりそうです(ここで☆ひとつ減点)。
優れている部分は最後のケーススタディです。未曾有のケースを扱っているのですが、株主価値想像の必要性を痛感するには、ちょうど良い内容となっています。この分野のハードルは、上記のように金融以外の分野でも理解が進むことだと思います。株主だって、ある意味では立派な従業員であり、配当を初めとした政策で期待に答えなければなりません。お客様は神様ですが、その中に株主も含まれる、これからやってくるだろう社会。本書はそのスタートラインに立つための本です。

