事業再生と敗者復活
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中小企業再生手法 |
大企業と異なる中小企業の事業再生についての書物は少なく地域金融機関の経営サポート部門に勤務する私にとって参考になった。
「面倒をみてもらう金融機関」と「サービサーに融資金を売却してもらう金融機関」にわけて利用するという手法は過剰債務に悩む中小企業にとって貸借対照表の改善、資金繰りの円滑化を進めるうえで効果的な対策と考えられる。
その結果として中小企業は大企業の様なV字型回復を志向すべきでなく、L字型回復を目指せばよいという指摘は説得的である。
ただ不振中小企業が再生するためには財務リストラだけでは不十分である。例えば製造部門でのコストダウンや営業力アップが不可欠である。その点が述べられていないため、星4つとした。
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事業再生って、こんなことを行うことなのか |
行き詰った(中小)企業を、資金面から立て直すための法律の説明、金融機関との交渉方法が紹介されています。その例として、筆者が実際に、どのような手段で、どんな企業を立て直したかが、失敗例も含めて書かれています。そして、事業再生のために、今後変更していく必要がある制度、法律等が提案されています。
あくまで、「資金面からの立て直し」が中心で、事業そのもの、儲かる仕組みの立て直し等の話題は、この本には、ありませんでした。
現場の方には、失礼かもしれませんが、法律を武器とし、金融機関の手段を研究しつくし、対抗していく例は、活劇を読んでるみたいでした。
最近の法律の整備状況など、勉強になりましたし、全然知らなかったため、「事業再生って」こんなことを行うのか、と非常に興味深く読めました。
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世の中の変化を教えてくれる良書 |
ターンアラウンド・スペシャリストという耳慣れないヨコ文字の商売が筆者の職業です。英語の Turn around の原義は「方向転換」、転じて「(企業などの,黒字への)転換」を意味します。日本語にするならばまさに「企業(事業)再生専門家」でしょう。いまだ数少ない日本の企業再生専門家による企業再生の現場レポートが本書です。
「企業再生、特に中小企業再生なくして日本経済の再生なし」というのは、「護送船団行政」を放棄せざるをえなかった後の、日本政府の基本政策となったようです。本書で紹介してある「企業再生」関連立法を年表にすると以下のとおり。まさに「矢継ぎ早」と言うにふさわしい政策転換です。
1999年2月 「サービサー法」施行
1999年 「産業活力再生特別措置法(産活法)」施行
2000年2月 「特定調停法」施行
2000年 「民事再生法」施行
2001年4月 「会社分割法(改正商法)」施行
2002年 会社更生法の改正
2003年2月 「中小企業挑戦支援法」施行
2003年4月 「産業再生法」施行
2003年5月 産業再生機構の業務開始
これらの政策転換とともに、本書で生き生きと語られる「企業再生」の現場の姿は、我が国の経済社会が「需要過多・資本過少」の途上国型から「資本過剰・需要過少」の成熟国型に転換したことをまざまざと教えてくれます。
「貸し手優位」社会にビルドインされていた「連帯保証制度」の害悪を説く、本書のロジックはとても説得的です。
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日本型中小企業再生を説く! |
ベストセラー「借りたカネは返すな!」の著者による中小企業再生本。その最初の著書の本来のタイトルは、「借りたカネ「では」返すな!」であったという。日本の連帯保証制度が「保証人に迷惑をかけてはいけない…」という経営者の姿勢を生み、借金に借金を重ね、泥沼に入っていく。そして、優秀なセールスマンや技術者であった中小企業経営者が債務返済にばかり気が回り、事業がおろそかになっていく。モラルハザードといわれようが、この資産デフレ状況を生んだのは、その当人たちではない。貸し手にも責任がある。だからこそ、債務放棄をしてもらい、敗者復活を助けるのだ、というのが著者の立脚点。
必ずしも著者の考え方に同意できるものではないが、「日本では経営者の人格がビジネスそのもの。経営者をすげかえるアメリカ型再生はそぐわない」、「金融機関やそのOBでは、債権放棄を伴う再生計画を立案しずらい」、「ゴーン流のV字回復ではなく、中小企業はL字回復をめざせ!」など、納得させられる指摘も多い。
読んでおいて損はないでしょう。簡単に読めますが、くれぐれも誤解しないように。



