リレーションシップ・バンキングと金融システム
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モーゲージ化と市場型間接金融の説明が弱い |
2005年は地域金融機関にとって死活明暗する重要な年である。4月1日のペイオフ解禁もだが、新BISの内容が現在第一の柱のみ発表になり、6月にはそれに続く第二・第三の柱がバーゼル委員会から発表される。2007年3月から施行される新BISへどのような選択肢を選択し、ディスクローズするのか、各金融機関は今まさに模索と準備の途中にある。
ともあれリレバン対応の名のもとに各金融機関はホームページでその取り組み状況をつぶさに市場に報告しているスタンスは一応貫いているが、内容は希薄そのものだ。その裏で地域金融機関は多額の劣後債発行や新株予約権で自己資本比率を懸命にあげ、VaRに対応するため金利の一つ一つを分解する取り組みを始め必死に地域のために生き抜こうとしている。そしてそのためのノウハウを本書のような本に一つでも求めている。
本書は地域金融機関の根幹たる中小企業金融を定量的に分析したものだ。
ただし地域金融機関サバイバルのための目新しいノウハウは見つけられない。現状の問題点を指摘した第三章と今後の問題点をあげた第四章がまとまっているが、モーゲージ化と市場型間接金融の説明が弱い。債権を流動化させ、業種・地域・期間等の偏りを平準化し、銀行法第13条ベースの連結企業体を時系列的に把握していくことが必須な今の地域金融機関にとって肝心の部分が本書には無い。
また、中小企業金融を定量的に分析の部分もムーディースが実施したCAP曲線等を利用したやり方や日銀がホームページで公開している地域金融機関の企業データベースを用いた取り組み等にも触れて欲しかったがいかがだろう。

