コーポレート・リストラクチャリングによる企業価値の創出~倒産と再建、バイアウト、企業分割のケーススタディ
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単なるケースブック |
あえて酷い書評を書くつもりはなかったのですが、出版社や他の書評と実際の本書の内容があまりにも異なり、購入してみてがっかりしたので書かせていただきます。出版社の書評のうち、ハーバード大学での講義に使用していることや著者の履歴等については正しいです。ただし、本書は単なるケース・ブックであって、いわば事例集です。本書に書かれている13の事例を読んで、コーポレート・リストラクチャリングの方法論が理解できるわけではありません。本文と文末の大量のデータを自分でエクセルに入力して、財務諸表の分析を行い、企業価値をさまざまな手法を用いて算出して、実際の事例において当該企業の幹部が選択した結論が正しかったのか、別の解決を選択すべきであったのか、完全に間違えていたのか、議論を行うべきものであって、これらの指導を行うことができる優秀な講師なくしては事業再編方法について学ぶ上では意味がない本です。利用価値があるとすれば、(1)欧米のビジネススクールでは、原書のいくつかの事例をファイナンス関連の授業で利用されることがあるため、英語力にあまり自信がない学生が日本語でケースを読むことができる、(2)チェース・マンハッタンとケミカル銀行の合併やスコット・ペーパーの再生等、日本でも著名な企業の遍歴を知ることができるという点ぐらいだと思います。
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ハーバード・ビジネススクールでの研究の結晶 |
著者のスチュアート・C・ギルソン氏はハーバード・ビジネススクールでコーポレート・リストラクチャリングについて8年間も研究した人で、この世界の第一人者です。また著者は1996年に権威あるグレアム/ドット賞も受賞しています。バランスシートを読める人なら非常に勉強になると思います。何しろケーススタディが豊富です! MBAやPh.Dの勉強をされている方なら最高の参考書になるでしょう。同じパンローリング社から出版されている「バイアウト」と合わせて読めば、非常に勉強になることと思います。その知識を利益に結びつけたいのなら「グリーンブラット投資法」が断然のオススメです。M&A、企業分割、倒産、リストラは宝の山であると同時に、経済のリサイクル・メカニズムです。
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内容は濃くて面白いですが |
帯によるとハーバード・ビジネススクールの講義六をまとめたものだそうです。さまざまなリストラクチャリング(事業の再構築)が実例を元に丁寧に解説されていて、読み物としてもテキストとしても非常に有用な本です。
この類の本にしては珍しく、平易な言葉で書かれていて非常に読みやすいことも本書を高く評価できます。面白いので、リストラ(というと単に「首切り」を連想してしまいそうですが、「事業の再構築」です)により企業価値を高める方法に関心のある方には、強くオススメします。
しかし、そうでない方には本書はちょっと堅苦しい本かもしれません。本書を翻訳出版したパンローリングは、一般投資家向けの相場関係の本を数多く出していますが、本書は一般投資家向けの本ではないで!。



